<

追憶のまほろば

  • 2007/04/01(日) 19:55:50

今年に入ってからは仕事のほうがやたらめったら忙しく、
連日深夜帰宅という生活を余儀なくされてしまった。

長時間勤務・休日出勤の連続で
精神的にも肉体的にもアヒャヒャヒャヒャ(゚∀゚)な状態で、
俗に言う「デスマーチ」というヤツだったのかもしれないけど、
長時間勤務といっても一日の勤務時間は14時間以内でおさまってたし、
休日出勤アタリマエーといっても 日曜日はお休みできたし、
期間だってせいぜい3ヶ月弱くらいのものだったから、
『2ちゃんねる』なんかで語られてるデスマーチの壮絶さに比べればあまりにヌルすぎて、
「デスマーチ」と呼ぶにはちょっとおこがましい感じ。

あえていうなら、「なまごろしマーチ」といったところか。
「なまごろしマーチ」って我ながらナイスなネーミングだと思うんだけど、
よくよく考えたら、生かさず殺さずな分コッチの方がタチが悪いような気もする。

先週あたりから仕事の方は少しずつ落ち着いてきたけど、
今度は4月に控えた試験の勉強時間確保のために
睡眠時間が削られるという状況になっていて、
精神的にも肉体的にもアヒャヒャヒャヒャ(゚∀゚)な状態なのは相変わらずだ。

そんなこんなでお疲れモードもピークになってくると、
人間えてして奇矯な行動をとってしまうもので、
私の場合たいていそれは「図書館で本をドカ借りする」
というカタチで現れてくるらしい。

読むのが目的ではなく、ある意味ストレス発散のためなわけだから、
借りてくる本の種類は実にバラエティ豊富というか多岐に渡ってるというか
混沌としてるというか、要するに「ばらんばらん」だったりするんだけど、
そんないい加減な選び方をした本でも、なにげにパラパラめくっていると
「お?」と思えるネタや、ちょっといい言葉を拾えたりするので
ナカナカ悪くなかったりする。

おそらく、先立つモノさえあれば書店に行っても同じことやってると思うんだけど、
ここで書店に行かずに図書館に行くあたりが、変なトコで変な風に理性的、というか
守銭奴根性丸出しだったりで「なんだかな」という感じだ。

というわけで、先日もそんな調子で10冊ばかり借りてきた本の中に、
司馬遼太郎の『北のまほろば』という一冊がある。

これは司馬さんの紀行集『街道をゆく』の中のひとつで、
司馬さんが青森を旅されたときの様子が、
まるで水彩画を思わせるような筆致で綴られている。

私自身も以前に青森を旅したということもあって、
読んでるうちにそのときのことを思い出して懐かしい気持ちになった。

といってもそのときの私は『八甲田山』しか眼中になく、
他の場所にはほとんど訪れることもなかったので、
心底懐かしい気持ちになれたのは、
八甲田山について書かれてる一節だけだったんだけど。

っていうか、旅の間中はほとんど雨ばっかりのお天気で、
日がな一日ホテルに引きこもって
本を読んだりお風呂に入ったりしてただけで、
その八甲田山すらロクに満喫できなかったわけで、
まったくもって何しに行ったんだかわかんないってな旅になってしまった。

旅の最終日になるとお天気も回復したから、
念願かなって八甲田山頂に立つことができて、
やっとこ本懐をとげたって感じだったんだけど。

冬場の八甲田山は、うかつに踏み込む者をことごとく雪地獄に誘う、
まさに『魔の山』と呼ぶにふさわしい所ならしいけど、
夏の八甲田山はそんなのシンジラレナーイってくらい穏やかで、
ひたすら緑一色だった。

帰りのロープウェーははからずも『貸切』状態で、
ロープウェーの『特等席』からの眺めを存分に堪能してくることができたんだけど、
その風景はさながら『緑の海』というか『緑の雲』というか、
ちょっと言葉では言い表せないくらいの壮大さだった。

ロープウェーを降り、ロープウェー駅前のバス停で
青森市内に戻るためのバスを待ってたんだけど、
20分ほど待ち時間があったので、
近くで客待ちしていたタクシーの運転手さんと雑談をしながら過ごした。

聞けば十和田湖までお客を乗せた帰りだという。
ロープウェーのお客を拾って帰る算段だったらしいが、
どうも他にお客が降りてくる様子もないということで、
バスの運賃と同じ料金で私を青森市内まで乗せていってくれると言い出した。

ロープウェー駅前から青森市内までのバスの料金は1000円ちょっと。
時間にすると小一時間はかかったと思う。
普通にタクシーを利用してたら、おそらく7,8千円ではきかないハズで、
それではあまりに運転手さんにとっては損な取引だからと、
一応遠慮はしてみたんだけど、このまま待ってても他にお客はないだろうし、
どうせ青森市内まで帰るつもりだったんだし、
空車で帰るのもなんだから気にしないで乗ってけと熱心にすすめてくれるのに負けて、
結局はご好意に甘えて乗せてもらうことになった。

んもぅ、強引なヒトね。
でも、強引なヒトってキライじゃないわ(はぁと)
・・・と、くだらない戯言はさておき。

青森のタクシーというのは、かくも旅人に親切なものなのか。
それとも、私が美人だから親切にしてくれたのか(←スルー推奨)

そんなこんなで、青森市内までの小一時間、
運転手さんと取りとめのない雑談をしながら過ごしたんだけど、
どういう話の流れだったか、運転手さんがこんなコトを言っていた。

「こんど来るときは、『たっぴざき』を見てくるといい―」

このときは、『たっぴざき』が『竜飛崎』と書くとは知らず、
そこがどういう場所なのかもしらなかったんだけど、
運転手さんの話によれば、津軽半島の最北端に位置するこの岬は、
左手に日本海、右手に津軽海峡、おまけに正面には
手を伸ばせば届きそうなところに北海道を望めるという。

さぞかし雄大な風景なんだろうな、と
想像をふくらませてはワクワクしてしまう。 
冬場ならまさに「津軽海峡冬景色」の世界に浸れちゃったりするんだろう。
ただ、一日中強風が吹きすさぶらしいので、
冬場なんかにうかつにここを訪れた日にはエライ目に遭いそうだ。

この竜飛崎、どうやらアクセスするための公共の交通機関がないらしい。
ゴールドペーパードライバーの私にはツライところだ。
次に訪れる前に、車の運転の練習をしとかにゃなるまい。

それにしても、なんとも罪な本だ。
読んでるうちに、またぞろ青森に行きたくてウズウズしだしている。
前の方でもちょっと書いたけど、本の中で取り上げられてる場所で
私が行ったことのある場所といったら八甲田山しかないので、
先に挙げた竜飛崎以外にも、本に書かれてる他の場所―
たとえば弘前城とか、十三湖とか、棟方志功記念館とかにも
是非訪れてみたいと思っている。
―ひょっとしたら、また八甲田山に突撃しちゃってるかもしれないけど。

つーかよく考えたらこの本、かれこれ一週間ほど延滞しちゃってるんだった。
「北のまほろば」に思いを馳せるより先に、まずはコレを返しに行かないと。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する